この宿は、2021年12月で閉館しました。
栗野岳温泉 南州館
栗野岳のふもとにある「南州館」。
一本道の山道を車で登っていくと突然その宿は現れます。
あの西郷さんも明治維新の頃にここで1か月近く(一説では3か月)も湯治をしたとされていてます。
この宿の屋号もそこからきているのでしょう。
西郷さんは、象皮病という皮膚病に感染していてここ以外にもあちらこちらの温泉に行っていたようです。
宿の創業は明治39年で、現在のご主人は4代目だそうです。
一軒宿ですが、宿泊棟や以前宿泊用に使用をしていた建物の他に宿の主人の住居や温泉浴室の棟が3つもあり、敷地のあちらこちらに建屋として点在する形になっています。
この宿は「日本秘湯を守る会」の加盟宿でもあります。
今は車で訪問することができますが、昔はまさに山の中の秘湯だったのしょう。
客室は6部屋のみで、どちらかと言うと日帰りでの温泉目当ての入浴客が中心の営業のようです。
私が訪問した日は、他の宿泊客は60代くらいのご夫婦1組だけでした。
今回お世話になる客室は、2階の「藤」と名づけられた部屋。
山の中で涼しい場所ですが、南国鹿児島の温泉宿なので部屋には、エアコンが設置されていました。
部屋に冷蔵庫がなく、近くにはコンビニもないので冷たい飲み物は宿に設置されている自動販売機を頼る以外に手段はありません。
いちいち買いにいくのは面倒くさいですがしかたありません。
部屋は、山奥の歴史のある一軒宿でしたので、古びたイメージで訪問をしたのですが想像とは異なりとても綺麗です。
部屋にあるトイレも洋式でした。
宿泊棟にある内湯は、午後3時から翌朝10時まで利用可能で宿泊者専用です。
したがって、滞在時間中はいつでも好きなときに利用することが出来ます。
その他に3ヶ所ある温泉は、全て宿泊棟からは別の建物になっていて外に出る必要があり、こちらは日帰り客も利用することが出来ます。
宿泊棟の裏手にある浴室棟は「竹の湯」。
浴室内の造りは床も湯船も石になっています。
白濁湯で泉質は、俗にいう「明礬泉」。
浴槽の裏手には打たせ湯がありますが、お湯は出ておらず現在は使用できないようでした。
南州館の入口のすぐ右手にある建物は「桜湯」。
こちらも白濁湯ですが泉質は、「竹の湯」とは異なり硫黄泉です。
男湯は石の造りですが、女湯は床は石で浴槽は木とのことです。
「桜湯」の裏手には温泉の蒸気が上がっていて、その先に天然の蒸し風呂の建物があります。
浴室には2つの蒸し風呂があります。
蒸し風呂の中に入った瞬間から汗だくになり数分入るのが限界でした。
食事は、一階の個室でいただきます。
用意が出来た旨を電話ではなくわざわざ部屋まで伝えに来てくれて食事処まで案内してくれました。
間仕切りのある個室でいただくので、他のお客さんを気にすることなくゆっくりと食事を楽しめます。
朝食も昨晩いただいた食事部屋に通されました。
朝夕ともそれほど凝った料理はありませんでしたが、一万円前半の宿泊料金でしたので納得です。
なにより、温泉がとてもよかった。
日本秘湯を守る会に関しては、あわせてこちらの記事もご覧ください。
温泉基本情報
竹の湯、宿泊棟内湯
源泉名:栗野岳1号
泉質:酸性・含鉄(II・III)-アンモニア-硫酸塩泉[低張性-酸性-高温泉]
泉温:90.0度
PH:2.2
桜湯
源泉名:栗野岳温泉 桜湯
泉質:酸性単純硫黄泉[低張性-酸性-高温泉]
泉温:61.20度
PH:2.8
アクセス情報など
日帰り利用の場合、料金は1ヶ所だけ入浴するなら300円、2ヶ所入浴する場合は550円、3ヶ所入浴は700円になっています。
住所:鹿児島県姶良郡湧水町木場6357
HP:栗野岳温泉 南州館