【飯坂温泉】9か所の共同浴場の湯めぐりが楽しめます
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飯坂温泉とは

飯坂温泉(いいざかおんせん)は、福島県福島市北西の飯坂町の栗子連峰の麓に位置する温泉地で宮城県の鳴子温泉、秋保温泉と共に奥州三名湯に数えられています。
昔は「鯖湖の湯」と呼ばれていました。
開湯は、日本武尊の東征にまで遡るといわれていて、ヤマトタケルが湯治したという伝説が残っています。
西行法師もこの地を訪れて、
「あかずして 別れし人のすむ里は 左波子(さばこ)の見ゆる 山の彼方か」
と歌を読んで、そこから「鯖湖の湯」(さばこのゆ)という名が定着したとのことです。
伊達政信が、1300年頃に「湯山城」を築いて摺上川から城に通じる坂道が「飯坂」と呼ばれていて、そのことから飯坂温泉となったともいわれています。
1689年(元禄2年)5月2日には、松尾芭蕉と弟子の河合曾良がこの温泉に泊まったのですが、雨に降られた芭蕉らは貧家に宿をとって土間に莚を敷き、囲炉裏のそばで寝たのですが雨漏りがあったり、蚤と蚊に悩まされたりしたそうで、さらに芭蕉の持病が再発するなど散々な目にあったらしいです。
芭蕉の日記には、「飯坂」ではなく「飯塚」との地名で書き残しています。
正岡子規や与謝野晶子らも訪れていて、飯坂温泉を詠んだ句碑などがあったり、ヘレン・ケラーは2度も訪れています。
飯坂温泉が栄え始めたのは、街道が整備された享保年間(江戸時代中期)の頃からで、周辺の住民や多くの旅人が訪れるようになりました。
観光客数のピークは1973年で年間約177万人でしたが、2009年には約81万人と半分以下にまで減ってしまっています。
最近では日帰りの温泉施設や足湯なども整備されていて、観光客の呼び込みに力を入れています。

飯坂温泉の共同浴場

飯坂温泉には9か所の共同浴場があります。
その中でも「鯖湖湯」は飯坂温泉発祥の湯とされていて、松尾芭蕉も入浴しています。

・鯖湖湯 (さばこゆ)  定休日:月曜日
・十綱の湯(とつなのゆ) 定休日:金曜日
・仙気の湯(せんきのゆ) 定休日:木曜日
・切湯(きりゆ)     定休日:月曜日
・導専の湯(どうせんのゆ)定休日:金曜日
・大門の湯(だいもんのゆ)定休日:木曜日
・八幡の湯(やはたのゆ) 定休日:火曜日
・天王寺穴原湯(てんのうじあなばらゆ)定休日:水曜日
・波来湯(はこゆ)    定休日:火曜日

・入浴料金 大人(12歳以上)200円、小人(12歳未満)100円
※波来湯は、大人(12歳以上)300円、小人(12歳未満)150円
※小人は満1歳以上12歳未満
※シャンプーや石鹸がないので持参してください

1鯖湖湯 (さばこゆ)

「鯖湖湯」は飯坂温泉にある9つある共同浴場の中で一番古いと言われています。
名前の由来は、鎌倉時代に西行法師がここを訪れて詠んだ
「あかずして 別れし人のすむ里は 左波子(さわこ)の見ゆる 山の彼方か」
の歌からだそうです。
現在の建物は、平成5年(1993年)に明治時代の共同浴場を ひば・けやき・ひのきを使って再現改築されました。
この湯には、元禄2年(1689年)にこの地を訪れた芭蕉も入浴をしたとのことです。

・源泉名:湯沢分湯槽
・泉質:アルカリ性低張性温泉
・源泉温度:51.0度
・PH:8.6

・住所:福島県福島市飯坂町湯沢32
・電話:024-542-5223
・料金:大人200円、小人100円
・営業時間:6:00-22:00
・定休日:月曜日

2十綱の湯(とつなのゆ)

昭和43年(1968年)に開湯した「十綱の湯」は、飯坂温泉で一番新しい共同浴場です。
平安時代に摺上川(すりかみがわ)に架けられた飯坂温泉を代表する十綱橋から「十綱の湯」と名づけられました。
共同浴場らしく、地元の人以外には少し判りにくい場所にありました。
タイル張りの浴槽中央の湯口から流れ出る温泉は、少し離れた高台にある共同浴場「大門湯」からの引き湯です。

・源泉名:大門分湯槽
・泉質:アルカリ性低張性温泉
・泉温:62.0度
・PH:8.4

・住所:福島県福島市飯坂町下川原36-7
・電話:024-542-4241
・料金:大人200円、小人100円
・営業時間:6:00-22:00
・定休日:金曜日

3仙気の湯(せんきのゆ)

「仙気の湯」は、昭和42年(1967年)に今の場所に移転する前は「切湯」(上湯)の川下にあったことから「下湯」と呼ばれていました。
仙気(疝気)とは、下腹部の痛み(胆石や膀胱炎など)のことで、これらの病に効く温泉とのことでこの名がついたそうです。
利用源泉は「導専の湯」と同じ若竹分湯槽で、外観や中もよく似ています。
浴槽は、あつ湯とぬる湯に分かれていて、真ん中の湯口は福島市のゆるきゃら「ももりん」です。
このウサギのキャラクターの由来は、福島市民に親しまれている春先になると吾妻小富士の斜面に現れるうさぎの形の残雪「雪うさぎ」(種まきうさぎ)だそうです。

・源泉名:若竹分湯槽
・泉質:アルカリ性単純泉
・泉温:60.2度
・PH:8.7

・住所:福島県福島市飯坂町湯野愛宕前35
・電話:024-542-5223
・料金:大人200円、小人100円
・営業時間:6:00-22:00
・定休日:木曜日

4切湯(きりゆ)

「切湯」は、その名の通り切り傷に効くと言われる共同浴場で、開湯は寛永元(1624)年と伝えられていて昔は「上湯」とも呼ばれていたとのことです。
建物が摺上川(すりかみがわ)の川沿いの地下にあり少々判りにくいところにありました。
昭和40年(1965年)に出来たコンクリートのこの建物は、源泉のある浴室まで階段を下ることになります。

・源泉名:波来湯分湯槽
・泉質:アルカリ性低張性温泉
・泉温:51.0度
・PH:8.6

・住所:福島県福島市飯坂町湯野切湯ノ上5
・電話:024-542-5223
・料金:大人200円、小人100円
・営業時間:6:00-22:00
・定休日:月曜日

5導専の湯(どうせんのゆ)

「導専の湯」(どうせんのゆ)は、昭和37年(1962年)に建てられ平成22年(2010年)12月27日にリニューアルオープンしました。
温泉は「仙気の湯」と同じ若竹分湯槽が使用されていて、お互いの建物もよく似た形です。
この共同湯の名前は、この建物のある場所の地名からきています。

・源泉名:若竹分湯槽
・泉質:単純温泉
・泉温:60.2度
・PH:8.7

・住所:福島県福島市飯坂町湯野導専16
・電話:024-542-5223
・料金:大人200円、小人100円
・営業時間:6:00-22:00
・定休日:金曜日

6大門の湯(だいもんのゆ)

「大門湯」は、飯坂温泉の舘の山(比高約120m)に平安時代末期の山城「大鳥城」の大門があったことから名付けられました。
昭和37年(1962年)に建てたら共同浴場の建物が立つ高台からは、飯坂温泉から福島盆地が一望することができます。

・源泉名:大門分湯槽
・泉質:アルカリ性低張性温泉
・泉温:62.0度
・PH:8.4

・住所:福島県福島市飯坂町大門1
・電話:024-542-4241
・料金:大人200円、小人100円
・営業時間:6:00-22:00
・定休日:木曜日

7八幡の湯(やはたのゆ)

昭和37年(1962年)に建てられた「八幡の湯」はその名の通り八幡神社や八幡寺の近くにある共同浴場です。
八幡神社は、日本三大喧嘩祭りのひとつで有名な神社で、10月上旬の祭りの期間中にはあたりは祭り一色に染まります。
ちなみにその他の喧嘩祭りは、新居浜太鼓祭り(愛媛県新居浜市)と伊万里トンテントン祭り(佐賀県伊万里市)だそうです。

・源泉名:八幡の湯
・泉質:単純温泉
・泉温:54.6度
・PH:8.6

・住所:福島県福島市飯坂町馬場20-1
・電話:024-542-4241
・料金:大人200円、小人100円
・営業時間:6:00-22:00
・定休日:火曜日

8天王寺穴原湯(てんのうじあなばらゆ)

穴原温泉にある共同湯「天王寺穴原湯」は、穴原温泉と天王寺温泉にあった共同湯を閉鎖して、昭和61年(1986年)2月1日に新しく建てた共同湯です。
飯坂温泉から少し離れた摺上川(すりかみがわ)上流の奥十綱橋を渡ったところにありますが、飯坂温泉の共同湯のひとつとして数えらえています。

・源泉名:富士屋源泉
・泉質:単純温泉
・泉温:60.0度
・PH:8.4

・住所:福島県福島市飯坂町穴原
・電話:024-525-3722
・料金:大人200円、小人100円
・営業時間:6:00-22:00
・定休日:水曜日

9波来湯(はこゆ)

「波来湯」は、飯坂温泉駅からもっとも近くにある共同湯です。
2011年1月に建て替えてオープンした建物は、飯坂温泉にある9か所の共同浴場のなかで一番新しいものです。
受付も共同湯のものではなく、スーパー銭湯のフロントのように立派で、入り口から地下の浴室までエレベータまで完備されています。
入浴料も飯坂温泉の他の共同湯は200円ですが、ここだけは300円と1.5倍とお高めな設定になっています。

・源泉名:波来湯分湯槽
・泉質:アルカリ性低張性温泉
・泉温:48.8度
・PH:8.6

・住所:福島県福島市飯坂町十綱町30
・電話:024-542-5223
・料金:大人300円、小人150円
・営業時間:6:00-22:00
・定休日:火曜日

 

観光パンフレット

飯坂温泉 パンフレット

飯坂温泉 パンフレット

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記載の情報は訪問時のものですので、現状に関しましてはご自身でご確認ください。感想・評価などは管理人の個人的な私見であることをご了承ください。




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