草円の母屋は、天保7年(1836年)に飛騨の国清見村大原(現在の岐阜県高山市国清見町大原)建てられた旧二村家を平成16年(2004年)に解体して移築したものです。
綺麗に整えられた小道をぬけて、その母屋の扉を開けます。
中は、間口11間半、桁行7間半の切妻入りになっていて、囲炉裏もあります。
この囲炉裏を囲んで、この宿で朝につかれたお餅とお茶をいただきました。
母屋から渡り廊下で、新潟から移築した築100年くらいの古い建物を利用した宿泊棟へ。
3タイプあるで、全部で15室ある部屋は、それぞれが異なった間取りになっています。
部屋には、3種類もお茶菓子が用意させていました。
宿泊棟から母屋を通り反対側に男女別の大浴場「福の湯」があります。
入口には、源泉と冷たい水が出るようになっていました。
広い脱衣所のわりには、洗面台が手狭な感じ。
洗い場とその横の扉を開くと蒸し風呂になっています。
主浴槽には窓がなく、開放感抜群です。
中庭の小道を歩いていくと男女別の露天風呂「釜湯」と「岩湯」があります。
この2つの露天風呂は時間帯で、男湯と女湯が入替り、「釜湯」はチェックインから20時まで「岩湯」は20時30分からチェックアウトまでが男湯です。
「釜湯」の浴槽は、岐阜県飛騨市(旧吉城郡神岡町)で亜鉛・鉛・銀 ・石灰などを採掘し、平成13年(2001年)6月に廃坑した神岡鉱山で使用されていた鉄釜を利用しています。
大きな巨石に囲まれた「岩湯」からは、平湯川の流れを楽しめました。
宿から少し離れたところに予約なしで空いていればいつでも時間無制限で入浴出来る貸切風呂「福の湯」があり、ここにも囲炉裏の休憩スペースがありました。
貸切風呂は3部屋あって、その大きさはまちまちですが洗面台にはアメニティや一番奥の貸切風呂にはベビーベットも設置されていました。
しかも、すべての貸切風呂が内湯と露天風呂の両方あります。
内湯では、ぬる湯とあつ湯の2つの浴槽があり当然どちらの温泉もかけ流し。
露天風呂も広々しているので、大浴場よりこちらの貸切風呂のほうがゆっくりと出来ます。
母屋にある食事処で、夕食も朝食も同じ席でいただきます。
夕食の献立表はありませんでした。
囲炉裏には、五平餅とアマゴの塩焼きが刺さっており既に焼きあがっているので、都合のいいタイミングでいただきます。
飲み物は、冷酒をオーダー。
桜の葉に包まれたお餅に鳥のたたき。
お肉や野菜は溶岩プレートで焼いていただきます。
タラの芽などの季節の天婦羅。
ご飯は竈で炊かれていて、オコゲがあったりします。
朝食ではこの辺りの宿では鉄板の郷土料理である「朴葉味噌(ほおばみそ)」。
味噌にネギやきのこなどが混ざってごはんがすすみます。
デザートは抹茶ムースですが、食事中にスタッフさんが、杵と臼でついた出来たてのお餅も振舞われました。
奥飛騨の昔懐かしい雰囲気を堪能できる温泉宿でした。
宿泊日:2024年4月
温泉基本情報
<大浴場>
源泉名:草円水ワケの湯
泉質:単純温泉(低張性弱アルカリ性温泉)
泉温:41.3度
PH:7.5
湧出量:160L/分
<露天風呂(釜湯・岩湯)>
源泉名三井金属1号泉、観音泉、天裕温泉及び湧水の混合泉
泉質:単純温泉(低張性中性高温泉)
泉温:65.7
PH:7.1
<貸切風呂>
源泉名:福の湯
泉質:単純温泉(低張性-中性-高温泉)
泉温:63.5
PH:7.0
湧出量:53L/分
アクセス・料金など
住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷福地温泉831
電話:0578-89-1116
HP:福地温泉 草円
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