【城崎温泉 外湯めぐり】 宿泊して浴衣でそぞろ歩きを体験

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城崎温泉の昔といま

城崎温泉(きのさきおんせん)は兵庫県豊岡市城崎町にある有馬温泉・湯村温泉とともに兵庫県を代表する温泉地のひとつです。
城崎温泉はコウノトリが傷を癒していた事により発見との伝説や717年から720年にかけて道智上人が千日の修行を行った末に温泉が湧出したことが城崎温泉のはじまりとも云われています。
その場所は、城崎温泉の共同浴場のひとつ「まんだら湯」として今でも残っています。
また、道智上人は城崎温泉の源泉近くのお寺「温泉寺」も建立しました。
江戸時代の温泉番付では城崎温泉の今の「一の湯」の源泉が、有馬温泉に次いで西の関脇にランクし「天下一番の湯」と評価されていました。
昭和のはじめまでは旅館には浴室はなく、宿泊客はは城崎温泉の街なかにいくつかある共同浴場(外湯)で入浴をしていました。
その後、旅館が敷地内で温泉を掘削し宿の内部に内湯を造りはじめ、そのことが城崎温泉の外湯の風習を壊したことにより、一部の旅館だけが温泉の恩恵を受けるのはおかしいとの意見から裁判沙汰にまで発展をしました。
その結果、公平性を保つために温泉街全体に温泉を配湯する配管を付設して、すべての旅館が平等に温泉の恩恵を受けられるようにしました。
したがって、現在の城崎温泉の湯は集中配湯管理となり、すべての源泉が集中配湯管理施設に集められて、平均温度を57度に安定させてから温泉街に張り巡らされている配管を通じて各旅館やホテルの浴室に配られています。
つまり、どの宿泊施設もどの共同浴場もまたく同じ温泉が循環されながらそれぞれの浴槽に注がれているのです。
あらかじめ消毒し循環されている温泉は旅館の浴室では残念ながら飲泉はすることが出来ません。
飲泉は循環消毒されていない新鮮な源泉だけになるので、温泉街に数カ所ある飲泉所でしか味わうことは出来ません。
せっかくの有名な温泉を、源泉かけ流しで入浴できないのは非常に残念です。

こちらの写真は、城崎温泉の共同浴場のひとつ「御所の湯」です。
今の「御所の湯」も昔の造りを残してくれているのが唯一の救いでしょうか。
この頃の、源泉かけ流しの共同浴場に入浴してみたかったものです。




城崎温泉では、外湯めぐりを楽しもう!

城崎温泉には現在7つの共同浴場があり、これらを宿泊客は宿の浴衣を着て温泉街を散歩しながら湯めぐりをすることが日本人だけではなく外国人観光客にも大変人気です。
これは、「そぞろ歩き」とも言われています。
「そぞろ歩き」は、城崎温泉に宿泊をしていれば城崎温泉のどの共同浴場に何回でも無料で入浴できるバーコード付きの入浴パスポートを宿で借りて温泉街にくり出します。

ただし、宿泊をしていなくても有料で共同浴場への入浴は可能です。
城崎温泉に宿泊をせずに、日帰りでいくつかの共同浴場を巡りたいのなら
「1日ぐるっと、入り放題 外湯めぐり券」
料金:大人(中学生以上) 1,200円 、小人(3歳以上) 600円(料金は2019年9月現在)
が各共同浴場の窓口で販売されているのでこちを購入するのがお得です。

<城崎温泉の共同浴場(外湯)>

1.駅舎温泉 さとの湯
城崎温泉駅のすぐ横にある共同浴場。
サウナも充実。
営業時間:13:00-21:00
定休日:月曜日
料金:大人800円、小人400円 (小人は3歳から小学生)

2.一の湯
合格祈願・交通安全、開運招福の湯
香川修徳がここを「天下一の湯」 と称賛したことから名づけられました。
営業時間:7:00-23:00
定休日:水曜日
料金:大人600円、 小人300円 (小人は3歳から小学生)
家族浴場あり

3.御所の湯
火伏防災・良縁成就、 美人の湯
文永四年(1267年)後堀河天皇の御姉安嘉門院が入湯されたことから「御所の湯」となりました。
営業時間:7:00-23:00
定休日第一・三木曜日
料金:大人800円、小人400円(小人は3歳から小学生)

4.まんだら湯
商売繁盛・五穀豊穣、一生一願の湯
養老元年(717年)道智上人の曼陀羅一千日祈願によって湧き出たので、名づけられたそうです。
営業時間:3:00-23:00
定休日:水曜日
料金:大人600円、 小人300円 (小人は3歳から小学生)

5.地蔵湯
家内安全・水子供養、衆生救いの湯
この湯の泉源から地蔵尊が出たのでこの名となりました。
営業時間:7:00-23:00
定休日:金曜日
料金:大人600円、 小人300円 (小人は3歳から小学生)
家族浴場あり

6.鴻の湯
夫婦円満・不老長寿、しあわせを招く湯
こうのとりが足の傷を癒したことから発見されたという伝説がありま。
営業時間:7:00-23:00
定休日:火曜日
料金:大人600円、 小人300円 (小人は3歳から小学生)

7.柳湯
子授安産、子授けの湯
柳の木の下から温泉が湧き出たというのでこの名となりました。
営業時間:3:00-23:00
定休日:木曜日
料金:大人600円、 小人300円 (小人は3歳から小学生)




浴衣を着てお散歩

城崎温泉は浴衣が似合う温泉街です。
城崎浴衣憲章というのもあって温泉街一丸となって浴衣を盛り上げています。
そぞろ歩きをするなら、宿で浴衣を借りるのがいいでしょう。

城崎ゆかた憲章

一、ゆかたにあらざれば、装いにあらず。
城崎温泉では、ゆかたをはじめとした和服が正装です。外湯めぐり、おでかけは必ずゆかたに着替えてから。
一、ゆかたを以て尊しとなす。
城崎温泉では、ゆかた(和服)を粋に着こなす人が尊敬されます。まず正しい着方を覚え、自分なりにコーディネートを。
一、ゆかたを温ねて、新しきを知る。
ゆかたを着ると今まで気づかなかった自分の新しい魅力を発見できるはず。見慣れたあの人もあんなに素敵だなんて。
一、ゆかた姿、一日にして良き想い出を宿す。
一日ゆかたを着て過ごすだけで、素晴らしい想い出がたくさんできるはず。都会では味わえない日本の良さがそこに。
一、ゆかたは、豊かな心を育む。
ゆかた姿は人への優しさ、自然に美しく感じる心を想い出させてくれます。ゆかたを着たあなたは、外見だけでなく心も豊かになるのです。

浴衣に着替えたら、次はそぞろ歩きで湯めぐりです。

順番としては、城崎温泉駅前の「駅舎温泉 さとの湯」から温泉街の中心を流れる大谿川の沿って、「地蔵湯」、「柳湯」、「一の湯」、「御所の湯」、「まんだら湯」、「鴻の湯」と巡り、城崎温泉の源泉を見てから、最後に温泉寺に参拝をするコースがおすすめです。

城崎温泉の湯めぐりを楽しくしてくれるアイテムのひとつがこの湯めぐりスタンプ帳です。
スタンプ帳は宿泊をした旅館で購入することができます。
私は入浴した各外湯の入口に設置をしているスタンプを集めながら湯めぐりをしました。
実はこのスタンプ、施設の前に置いてあるので入浴をしなくても押すことが出きます。
単なる散歩の記念に押して歩くのもありかもしれませんね。

城崎温泉の中心を流れる大谿川の川岸には、柳が多数植えられていて、いたるところにけかられている橋の景色と柳を眺めながらのんびりと歩くのも風情があっていいものです。
もっとも、日本海に近い土地なので冬場は寒いので、春から秋にかけての時期がいいのでしょうね。




温泉寺と古式入浴法

古来、城崎温泉への入湯にはまず温泉寺に参拝して湯杓を授かります。
この湯杓は城崎温泉を開湯した道智上人の手であり、温泉寺本尊の十一面観音・薬師如来の尊き手ともされていて
「南無道智上人、南無観世音菩薩、南無薬師如来」と唱えて、湯杓で頭から全身に湯を浴びて、心身の安祥を祈って入湯します。

<古式入湯作法>
1.湯壺に至って偈を唱う
沐浴身體(もくよくしんたい)  當願衆生(とうがんしゅじょう)
内外清浄(ないげしょうじょう) 身心無垢(しんじんむく)

2.温泉開祖道智上人・本尊十一面観世音菩薩・温泉守護薬師如来に感謝をして真言を唱う
南無道智上人。  南無観世音菩薩。  南無薬師如来。
各三遍

3.先ず湯杓を漱ぎ、次に湯杓の湯を頂く、口を漱ぎ、頭より全身に湯を浴びる
次、 心静かに入湯し心身の安祥を祈るべし。
尚、入湯中に湯杓を湯壺に浸けたりせず丁重に扱う事

入湯を了って後、道智上人の霊前に湯杓を再び奉納し、感謝の誠を申し上げる事

これが城崎温泉の入浴のお作法となります。

温泉の他にも楽しみを見つけてみては

温泉寺の境内にある飲泉所は若干のたまご臭がするとてもマイルドな温泉でした。
城崎駅前にある飲泉所の温泉とはまた違った味わいです。
どうやら、城崎温泉の源泉は同じ泉質でもそれぞれ個性があるようです。
やっぱり、集中配管になってしまったのはとても残念。

城崎の冬は、松葉ガニがを目当ての観光客が大勢訪れます。
松葉カニは、11月の上旬に漁が解禁をされ3月くらいまで取ることが出来ます。
なので、夏場に旅館で出てくるカニは冷凍ものでした。
城崎温泉駅は、夏は日本海の穏やかな海での海水浴も楽しめるので四季を問わず人気の高い観光地です。

記載の情報は訪問時のものですので、現状に関しましてはご自身でご確認ください。感想・評価などは管理人の個人的な私見であることをご了承ください。




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