生瀬(なまぜ)は現在では西宮市に位置しますが、江戸時代には丹波・播磨と摂津を結ぶ街道の要衝として「生瀬村」と呼ばれ、幕府から宿場に指定されていました。
起源は鎌倉時代で、浄土宗西山派開祖である証空上人の導きで武庫川に橋を架け、旅人を助けたと伝われています。
ここから、蓬莱峡を経て有馬温泉へと向かう有馬街道の森の中に「生瀬温泉」と刻まれた明治34(1901)年の銘のある大きな石碑があります。
この生瀬温泉は、明治29(1896)年に土地の有志が温泉を掘削し温泉旅館を経営しましたが、交通の便が悪く5年後に閉鎖しました。